【ながらスマホ自転車死亡事故】事例と発生状況や罰則を解説

自転車運転中のながらスマホで、ヒヤリとした経験はありませんか?実は、自転車のながらスマホは重大な死亡事故につながる危険な行為です。なぜなら、スマホに意識が奪われ、周囲の状況把握や危険回避が著しく遅れるからです。

この記事では、ながらスマホ自転車死亡事故の事例や発生状況、罰則強化を解説します。この記事を読むと危険性を理解でき、万一の対処法が分かります。ながらスマホ自転車死亡事故の被害に遭ったら、適切な補償のため弁護士にご相談ください。

自転車運転中の「ながらスマホ」が死亡事故につながる

ながらスマホ運転は、自転車であっても死亡事故につながる極めて危険な行為です。これは、スマホに意識が集中することで、周囲の状況確認や危険察知が遅れることが原因です。

その結果、歩行者や他の車両との衝突、転倒などが発生し、最悪の場合は死亡事故に至る可能性があります。自転車運転中はスマホ操作を一切やめ、安全運転に集中しましょう。

①スマホで通話しながらの自転車運転

ながらスマホの中でも、通話しながらの自転車運転は特に危険性が高い行為です。危険な理由は以下の2点です。

まず、片手でハンドル操作することになるため、バランスを崩しやすく、不安定な運転になります。これにより、急な状況変化に対応できず、転倒や衝突のリスクが高まります。

次に、通話に意識が向き、周囲の音や視覚情報への注意力が散漫になる点です。例えば、後方から近づく車の音や、交差点での信号の変化に気付きにくくなります。

過去には、通話中に周囲の安全確認を怠り、歩行者と衝突して重傷を負わせる、あるいは自らも大けがを負うといった事例が発生しています。通話が終わるまで自転車から降りるか、安全な場所に停止してから話すようにしましょう。

軽い気持ちで行った通話が、取り返しのつかない重大な結果を招く可能性があることを認識すべきです。

②スマホで動画を見ながら自転車の運転

自転車の運転中にスマホで動画を視聴する行為は、論外ともいえるほど危険です。その理由は、視覚と聴覚の両方がスマホの画面と音声に奪われてしまうからです。

スマホで動画を見ていれば前方を全く見ていない状態になり、障害物や歩行者、他の車両の存在に気付けません。また、イヤホンやヘッドホンを使用している場合は、周囲の音(車のクラクション、人の呼びかけなど)も聞こえなくなり、危険を察知する手段が完全に失われてしまうのです。

実際に動画視聴に夢中になり、信号無視して交差点に進入し、車と衝突して死亡するなどの痛ましい事故が発生しています。視覚情報が遮断されることで、わずか数秒間でも周囲の状況は大きく変化し、瞬時に危険な状況に陥る可能性があります。

自転車運転中は、いかなる理由があってもスマホの画面を注視する行為は絶対にやめるべきです。安全運転の基本は、常に前を見て、周囲の状況を把握することにあります。

ながらスマホ自転車死亡事故や重傷事故の発生状況

警察庁の統計によると、自転車が関与する交通事故件数は高止まり傾向にあり、その原因の1つとして運転中のスマートフォンの使用が挙げられます。

ながらスマホ運転による事故は、死亡事故や重傷事故につながりやすい特徴があります。これは、運転者が周囲の危険を認識できない時間が長くなり、衝突時の衝撃が大きくなる傾向があるためです。

自転車関連事故における法令違反別に見た死亡・重傷事故件数では「安全進行義務違反」や「脇見運転」などが多くを占めており、これらの違反には、ながらスマホ運転が含まれると考えられます。

2014年から2024年までの「自転車の運転者が携帯電話などの使用による交通事故件数」は下記一覧表の通りです。

                   ※2019年12月:改正道路交通法施行

年々増加傾向にあり近年は高止まりしています。スマートフォンの普及に伴い、ながらスマホ運転をしてしまう人が増加傾向にあることが、事故発生の背景にあると考えられます。

参考:警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」

ながらスマホ自転車死亡事故の事例

近年、ながらスマホ自転車死亡事故は深刻な社会問題でニュースにもなっています。特に注目すべきは、これらの事故の過半数が20歳代から30歳代の比較的若い年齢層によって引き起こされている点です。以下で2つの事例を見ていきます。

①女子高校生に5,000万円の支払いが命じられた判決

1つ目の事例として、夜間に携帯電話を操作しながら無灯火で自転車を運転していた女子高校生が、歩行中の女性に後方から衝突する事故がありました。

衝突された被害女性は転倒による負傷で歩行が困難となり、結果として職を失い生活保護に頼らざるを得ない状況に陥りました。

裁判では、加害者である女子高校生の重大な過失が認められ、約5,000万円の高額な損害賠償の支払いが命じられたのです。この事例は、ながらスマホと安全の不確認がいかに重い結果を招くかを示しています。

②スマホと飲料を手にした「ながら運転」

次の痛ましい事例として、スマートフォンを使用しながら自転車を運転していた女子大学生が、歩行者専用道路で高齢女性と衝突し、死亡させてしまった事故があります。捜査により加害者は左耳にイヤホンを付け音楽を聴きながら、左手でスマホを操作し、さらに右手には飲料を持った状態で走行していたことが明らかになりました。

裁判の結果、女子大学生には重い過失が認められ、重過失致死罪に問われ、禁錮2年、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されています。このケースは、複合的な「ながら運転」の危険性を示しています。

 ながらスマホ自転車への罰則強化

自転車運転中のながらスマホ行為を含む危険な運転に対して、近年は罰則が強化されています。これは、自転車事故の削減と運転者の安全意識を高めるための重要な対策です。具体的な法改正の内容や罰則については、以下で詳しく解説します。

 ①2024年11月の道路交通法改正│青切符での取り締まり

2024年11月に施行された改正道路交通法により、ながらスマホの罰則強化に加え、自転車の特定の交通違反に対し、反則金の納付を求める「青切符」による取り締まりが導入されました。

この新たな青切符の対象は16歳以上で、約113種類の違反行為がその適用範囲とされています。特に信号無視や一時不停止、そして携帯電話使用等のながら運転など、重大な事故につながり得る危険な違反は重点的な取り締まりの対象となる旨が示されています。

悪質な違反に対しては、従来通り「赤切符」(交通切符)の交付により、刑事罰の対象です。

②運転中のながらスマホ

改正道路交通法により、自転車の運転中における「ながらスマホ」は既に禁止されており、罰則が伴います。具体的には、スマートフォンを手で持って操作したり、画面を注視したりする行為はもちろん、自転車に固定したスマホの画面を注視することも禁じられています。

運転中のスマホ操作が禁止されるのは、通話(ハンズフリーを除く)や画面の注視です。ただし、自転車が停止している場合は対象外です。

現在の罰則として、ながらスマホ運転をした場合は「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」が科されます。さらに、ながらスマホ運転により交通事故を起こして交通の危険を生じさせた場合は、より重い「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。

③酒気帯び運転・ほう助

自転車の飲酒運転は、重大な事故につながる危険な行為であり、法律で厳しく禁止されています。改正道路交通法では、これまでの酒酔い運転に加え、酒気帯び運転も明確に罰則対象となりました。また、飲酒運転を助長するほう助行為も禁じられています。主な飲酒関連行為と、それに対する罰則は以下の一覧表の通りです。

自転車であっても、飲酒運転やほう助行為には重い罰則が科されます。自分自身の安全はもちろん、他者を危険にさらさないためにも、飲酒したら絶対に自転車を運転せず、周囲にも飲酒運転をさせないようにしましょう。

まとめ|ながらスマホ自転車死亡事故の被害の場合はご相談を

ながらスマホでの自転車運転は、重大な「ながらスマホ自転車死亡事故」を含む交通事故につながる極めて危険な行為です。

本記事で見てきたように、ひとたび事故が起きれば悲惨な結果を招き、加害者・被害者双方に重い代償が伴います。さらに道路交通法の法改正により罰則も強化されています。

万一、ながらスマホ自転車死亡事故や重傷事故の被害に遭われた場合、その後の対応は複雑です。治療、賠償請求、示談交渉など、多くの手続きが必要となり、精神的・肉体的負担も大きいでしょう。

適切な補償を受け、被害回復を進める対処法としては、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は法的な観点から状況を整理した上で、加害者側や保険会社との交渉を代行し、適正な損害賠償額の獲得をサポートします。

ながらスマホ自転車死亡事故の被害に関するご相談は、ぜひ当事務所にお任せください。

この記事の監修者

弁護士法人i 代表弁護士

黒田 充宏

開業以来、地元市民の皆様から交通事故に関する多数の相談を受けて参りましたが、残念なのは簡単なアドバイスで解決できることにもかかわらず、ずっと一人で悩んでおられる方が多数いらっしゃるということです。相談後に「誰にも話せずに悩んでいたけれども、もっと早く相談に来ればよかった」と仰る依頼者の方が意外と多いものです。特に交通事故に関するご相談では、「もう少し早く相談してくれれば、適切なアドバイスができたのに」と思うことが多々あります。交通事故の法的トラブルについては、時機を失うと大きな損失につながる可能性があります。「こんなことで相談してもよいのかな」と心配する必要はありません。当事務所では、経験豊富な弁護士がいつでもお待ちしております。身近な町医者として、今後とも精進する所存ですので、困ったときにはいつでもご相談ください。

 

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